コラム
2021 02.19
【栄養士コラム】管理栄養士監修 Pharmacyコラム フレイル編
こんにちは、日生薬局です。
先月から掲載を始めました管理栄養士が監修する「日生薬局Pharmacyコラム」、2月のコラムのテーマは「フレイル」です。
フレイルという言葉、聞いたことはありますでしょうか。
2020年2月にとある調査会社が行った調査によると、50~70代の男女1200名以上にフレイルについて聞いたところ「言葉だけは知っている」が23.5%、内容を理解している方だと10.8%という結果だったそうです。
この調査結果からもわかる通りフレイルという言葉の世間での認知度はまだまだ低いのが現状です。
この記事を読んで頂いているのは栄養系の学部や薬学部に通っている方が多いと思いますので、知っているよという方も多いかと思いますが、改めてフレイルについてどんなものなのかを少し触れたいと思います。
フレイルは日本老年医学会が2014年に提唱した概念で、英語で虚弱を意味する単語「Frailty」を日本語訳したものです。
老化に伴って身体能力が低下し、健康障害を起こしやすくなった状態のことを指し、健常な状態と要介護の状態の中間的な状態です。
そのまま悪化すれば要介護に移行する可能性が高いですが、適切な治療や予防を行うことで要介護状態への移行を防げる可能性があります。
フレイルには筋力低下などの身体的フレイル、認知機能低下やうつ傾向などの精神心理的フレイル、身体機能低下により活動範囲が狭まったり好奇心の低下により外部との接触が減少する社会的フレイルの3要素があると言われています。
なかでも身体的フレイルは筋力や運動機能の低下に起因するので、転倒や骨折による要介護状態に移行しやすく、ロコモティブシンドロームやサルコぺニアという言葉との関連が深いです。(ロコモティブシンドロームやサルコペニアの説明は割愛させて頂きます)
こうした介護に関連する概念としてのフレイルですが、実は栄養と密接なつながりがあります。
老化により筋力や運動機能が低下すると活動量が減り、基礎代謝も含めた消費エネルギーが減少します。
すると食欲の低下や摂取エネルギーの減少が起こり、栄養状態が悪化、筋肉量の減少や骨密度の低下を引き起こします。
筋肉量が減ったため日中の活動はさらに減り、食欲もなく食事が減り、低栄養が進行、身体機能が低下し・・・とどんどんと負のサイクルが続いていくのです。
このサイクルをフレイルサイクルと呼びますが、このサイクルを止めるために意識的に運動することと栄養バランスのいい食事をしっかり摂ることが推奨されています。
しかしコロナ禍においては積極的な外出も難しく運動量が低下しがちなため、いま栄養面でのフレイル対策が非常に重要なものとなっています。
そこで日生薬局ではコラムのテーマをフレイルとして、推奨される食事のとり方や品目をわかりやすくまとめました。
またそれを活かすためのレシピも作成したので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
2月の管理栄養士コラムの紹介いかがだったでしょうか。
新型コロナウイルスワクチンの医療従事者に対する先行接種が始まり、薬局で働く薬剤師や管理栄養士にも先行接種の案内が届いています。
これを機に状況が良い方向へと向かっていくといいですね。
次回3月のコラムテーマは「ひな祭り」です。
栄養士コラムでひな祭りとはどういうことでしょうか・・・?
答えは次回の更新をお楽しみに!
最後まで読んで頂きありがとうございました。

