日生薬局メディア
コラム
2020 01.31

感染症のあれこれ

新型コロナウイルスの感染が拡大しています こんにちは、日生薬局です。   ここ数日テレビで連日報道されていますが、新型コロナウイルスによる肺炎が拡大しています。 コロナウイルスはこれまで6種類が確認されており、2002年に中国を中心に流行したSARSや、2015年に韓国で流行したMERSもコロナウイルスの1種です。 しかしそれ以外の4種については通常の風邪の原因ウイルスのひとつであるため、必ずしもコロナウイルス=深刻な病気を引き起こすというわけではありません。   今回の肺炎はこれまで確認されていなかった新型のコロナウイルスが、中国の湖北省武漢市にある野生動物を取り扱う市場から発生したのではないかと言われています。 2020年1月31日現在、世界23の国と地域で9,800名以上が発症、213名が死亡しています。 2002年のSARS流行の際には8,096人が感染、774人が亡くなったと言われているので、比較してみると感染力は高くても致命的な症状になる可能性はやや低いのかなと思えます。 ※最新情報や詳細については厚生労働省のホームページをご覧ください。 厚生労働省感染症ページ: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/index.html   とはいえ感染が怖いことには変わりありません。 感染経路はまだ確定していませんが、感染者と長時間を共にするなど濃厚接触からの飛沫感染や、ウイルスに汚染された環境に触れることで手などにウイルスが付着して食事などの際に体内へ侵入する接触感染の2つが感染経路として考えられています。   この飛沫感染と接触感染は今回の新型コロナウイルスによる肺炎に限った話ではなく、インフルエンザやマイコプラズマ肺炎など他の感染症にも共通します。 つまり新型コロナウイルスに注意して感染予防をすれば他の感染症の予防にもなるということですね!   飛沫感染は感染者の咳やくしゃみに含まれるウイルスを吸い込むことで起きるのでマスクをするのが効果的! と、一般的には思われますが実はそれだけでは不十分です。 口や鼻から飛沫を吸い込むことが原因になるのはもちろん、飛沫が目にかかることによっても感染する場合があります。 また飛沫に含まれるウイルスは非常に微細なため、マスクの隙間から侵入することもあります。 マスクや眼鏡をしているから安心というわけではなく、目の前で咳やくしゃみをしている人がいたら顔をそむける、人込みを避けるなども感染予防には大切です。 そして自分が咳やくしゃみをするときには人にうつさないようにという思いやり、いわゆる「咳エチケット」も大事かもしれませんね。   接触感染は手に付着したウイルスが目・鼻・口から侵入して感染します。 そのため不特定多数の人が触る場所、電車のつり革やドアノブなどを触った後に顔周りを触るのを避けましょう! 簡単なことに思えますがこれが意外と難しいもので、ある調査によると人は無意識のうちに平均して1時間に23回顔を触っているというデータもあります。 それをウイルスに汚染された手で行っていたとすると・・・? ということで、接触感染を防ぐには意識して顔周りに触れないようにすることと、常に手を清潔に保つことが大切です。   もちろんどれだけ対策をしてもウイルスの侵入をゼロにするのは不可能ですので、ウイルスが侵入しても発症しない、あるいは発症しても軽症で済むように、日ごろから免疫力を高めるような生活をするのが一番かもしれませんね。 薬学生の皆さんはこれから定期試験の時期だったり、6年生の方は国家試験の追い込みをしているかと思いますが、十分な睡眠とバランスのいい食事を摂りつつ、適度な運動を心がけてみてください。 食事や運動、睡眠がいいストレス発散になって、案外根をつめるより勉強の能率が上がるかもしれませんよ。   日生薬局では感染症予防のため、社内の保育園や介護施設用のマスクを薬局が確保したり、園・施設のスタッフやお母さん方、入居者様のご家族向けに手洗いの講習会を開催しています。 服薬指導や在宅医療ばかり注目されがちですが、こうした衛生管理の場でも薬剤師には活躍を求められています。